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ドクタースリープ スティーヴンキング '18 文春文庫

2018.06.07(17:31)

誰かさんとは大違い。。。間違いなくディーヴァーとの比較です。
シャイニングの続編が出るよと芸スポスレで原作を知ってやっと入手。
キンギストとでも言うべきか?そんな私もIT刊行時あたりから疎遠になり
直近で呼んだ1922/ビッグドライバーあたりでも、かつてのイキオイは
感じられなく、旧作を読み返す方を選んだりしていた。
DSCN9336.jpg
2冊並べたこの装丁がたまらない。オーバールックが上にキャンピングカー列も。。。

ところが今回コレ。もうのっけから鷲掴みされた。
何処を読んでも味わい深い。行間文字間すべてに血が通っている。
全盛期のキング節が間違いなく蘇り、更なる進化を遂げている。
齢70にしてまだこんなのがこんなに書けるとは。。。

今まではページをめくる指ももどかしくという比喩が的を射ていたが
今回に限っては一章読むごとに、あまりの心地良さに本を抱きしめる。
そして急いで読むのではなく、ゆっくりゆっくり味わいながら読んでいる。

こんなに楽しい嬉しい気持ちの良い読書は久しぶり。
文字を一文字づつ追うのが心地良く愛おしい。
現在上巻の半分手前。スローペース極まれり。しかしそれでいい。
やはりキングのストーリーテラーっぷりは健在。
一々目の前に浮かぶようなすべての描写。誰かさんとは大違い。
登場人物のキャラに血が通い、想像力を駆り立ててくれる。

っと、二日間上巻ゆっくり楽しんで下巻ものんびりと思いきや結局徹夜コース。
シャイニング自体はキングの中では嫌いな部類なのだが、続編だからこそ
アル中DV野郎ジャックの話ではないので感情移入が違うのが利点。

だって前作の悲惨さと、幼少時のダニーの苦労を知っているものからしたら
オトナになったダニーがアル中になっていたという現実はコンフリクトだけれど
それを克服する過程で、友人たちに恵まれて心の平静を取り戻していくのち
結末を想像し、無条件に応援しながら成長と成功を祈る親心みたいなもの。

そしてダニーより更にシャイニーなアブラという女の子。
これがキャリーやチャーリーのような強力サイキックなシャイニー。
敵対するのは流石にジェルサーレムズロットの吸血鬼ではないけれどw
似たような「人外」 子供シャイニーの「命気」を吸い何千年も生きる種族。
それを少女と一緒にITやスタバのように退治に行くグローイングアップあり
周囲の人の事をジョンスミスのように的確に「わかって」しまったり。
もう全盛期のキング節が盛り沢山なスーパーネイチュラルなのである。

子供の生気の漲った命気(スチーム)は白
ホスピスで居住者の最期を看取りながら、死者と一緒にその時を歩み
末期に吐き出される「あえぎ」は赤とこれも後々伏線に。
そこで常に過ごす長命な猫アジ―。

要所々々に出てくるアブラの曾祖母コンチェッタの存在と、亡くなった祖母。
要所々々に出てくる悪しき遺伝のこと。ひとりぼっちだったダニーの家族。。。

アブラの親と医師との冒険&最後にアブラを「回転」させるくだりは
どう考えても乗るはずも許すはずもないんだけど、これはなんとか必然で。。。
相変わらずあちこち出てくる固有名詞からなる描写も、ウィキで調べました的な
誰かさんの軽いのと違い、サラリと本当に判るのも心地良い。

他にはダニーが酒を排除し読書にふけるのがルーカスダベンポートだったり
アブラと行った先で母ルーシーが選んだ本がクーンツだったり、ニヤニヤしてしまう。
ジョン医師の患者にフレデリカビンメルが出てきたのはビックリした。
名前だけだったけど羊たちのダーツを取って皮膚を切られた子w

そして昔々悩まされたバスタブのマッシー夫人は元より、頼りたくなった
ハローランさんは既に他界していたが、死者に転移して登場というサービス。
ホレスダーベントやジャックのいい時までも、前作のキャラがゲスト出演。

そして。。。
全盛期のキングを踏襲する作品でありながらこの結末。
だからこそ途中から「あぁあダニーは最後死んじゃうんだろうな~」と思いつつ
いろいろと丸く収まって、ビルも元気に生き残ってハッピーエンドという大団円。
これは旧読者層にしてみたらキングなりの大どんでんだと思うんだw

上巻P442 オーデンの戯詩
≪死はみなを等しくさらいゆく―金がうなるほどある者も腹の皮がよじれるほど
愉快な者も、ずっしり立派な逸物をさげた者すらも≫

これを読めてしみじみ「生きてて良かった」と思った。
死ぬ前にもう一度読みたい本リストにまた1本増えてしまった痛し痒し。
とは言え誉めすぎ感は否めない。偏に昨今のディーバーのおかげかと(逃
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