青い虚空 ジェフリーディーヴァ― ’02文春

2017.04.03(12:28)

シリコンヴァレーの隆盛ぶりとハッキングクラッキングのお話。
犯罪者として服役している天才ハカージレットがコンピューター創世記に
ネット上で出会ったもう一人の天才フェイトとのキーボードを介した頭脳戦。
それに例のごとく官憲が絡んでの共同作業で一進一退の攻防。
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まずは冒頭にコンピューター用語解説なるものが記載されている。
刊行年を見ても当時からそれなりにPCに携わっていれば理解できる割と
簡単な説明と概念(週刊アスキーの読者程度なら全部理解していることw
なんせICQが流行ってた頃のお話だから)

本編に関してもなんせスーパーハカー(本人はクラッカーとの違いを力説する)だから
ちょいとネットサーフでなんでもわかっちゃうお手盛り感。
何事もディーヴァーの話ってお手盛りじゃないと進んでいかないことが
読めば読むほどしみじみわかるが致し方ない。

片やスーパークラッカーの方は世界に出ている情報を消去し書き換え混乱させ
事件の解決を阻止しながら更に逃亡と殺人を重ねる。

今回も「身内」の中のスパイという設定が初期から頭をよぎらせながら
二転三転のどんでんで進んでいく。これもお手盛りw
しかし同僚に対するミスリードのおかげでたるまず最後まで引っ張れたかな。
これがなければ締まりがなかったから。
そして作者の意図とは逆に? 誰もが関係者を信じすぎちゃっている
脇の甘さがなんとも言えぬ。この歯痒さがむしろ作者の意図だろうか。

ウイルスにより冷却ファンを止め 回路に異常電流を流して内部ショートし
発火させ、火災を起こすってのは単純にスゲーと。
数分で元の電話回線を統括し嘘電話で収監を免れるくだりも面白かった。

既読の全著作も心理戦が重要でそれが面白さの基本だが本作も裏切らず。
コンピューターというエッセンスが加わりディーヴァー飽きせず終われた。
649ページはキツイけど翌日超忙しいのにやはり読了。再読可能物件。
そしてどの著作も最初の4~50ページが辛いことが多い。捗らない。
これさえ超えれば眠れないくらい進むんだけど とっつきが毎度気が重い。

しかしラストはいただけない。
このスーパーハカーが家庭人としても夫としてもポンコツなのは判りきってるのに
未来の不幸を隠してハートウォーミングで終わるのはチト理解が足らんよと思う。
これは自分がオトナの知識として思うだけなのだけど。

#P450
「私の父は大工だったの。『測るのは2度、切るのは1度』って」
ライムシリーズにも頻繁に出ていたディーバーお気に入りのフレーズ。

P635
ウイルスの感染経路がWEB上でやりとりされるものではなく市販のソフトウェア
への仕込みだったと意外で新しそうな描写があるのが今読むとちょっと草
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